吉田工場長の部屋
(月刊ジャーマンカーズ2003年10月号掲載)


ん?タイヤが変だぞ?

みなさんこんにちは

めっきり寒くなって車のプラグもかぶりやすい季節になってまいりましたね。
例によって朝に弱い私は(笑)どうも関節の動きがしぶ〜くなってしまって
体の暖機運転が大変です。
あったかい食事を取って、体が温まったところでさて車に乗って出勤・・・
快調に飛ばしていると、ある速度域でハンドルがふらふら、
あれ?最近タイヤ交換したばっかりなのに!

と、こんな状態になったこと、ありませんか?


これは足回りのゴムブッシュがへたっている場合に起こりやすい現象です。
経年変化によって硬化したゴムが気温の低下によってさらに硬くなって
最後には亀裂が入ってしまうことすらあります。

写真はE34型525iのコントロールアームブッシュを交換しているところですが、
5シリーズは足回りがデリケートですから定期的なチェックは必須です。
関節がしぶくなりやすいのは人間だけではなく車も同様です。

人間なら「足がぁ〜足が痛いよぉぉぉ」と訴えることができますが
車は言葉をしゃべることができませんから、
一年に一度は足回りの点検をしておいたほうがよいでしょう。

また、しとしとと雨も降る日が多いこの季節は
電装系にトラブルが発生しやすい・・・


これは先月にもお話しましたが、
バッテリーを交換したにもかかわらずバッテリーがすぐあがってしまう場合があります。
この原因はずばり「オルタネーター」です。

完全に終わってしまったオルタネーターであればチャージランプが
点灯するのですぐにわかるのですが、このような状態になるのはむしろまれで、
ほとんどの場合はちょっとだけ電圧が足りない、
あるいは瞬間的に電圧が降下するなどの症状であるため
なかなか日常の走行で症状が確認できません。

写真はバッテリーの電圧を測定しているところですが、
エンジンが停止した状態で12,3〜12,7Vであればバッテリー自体は正常、
エンジンをアイドリング運転した状態で13,7〜14,2Vであれば
オルタネーターも心配はないでしょう。


念のためオルタネーター自体の発生電圧だけを点検したい場合は
診断プラグの12ピンの電圧を測定することで確認できます。

テスターがない場合の簡単な点検方法は、
あたりが暗くなってきた頃を見計らってエンジンをアイドリング運転した状態で
ルームランプを点灯してみましょう。チラチラと周期的に暗くなるようなら
オルタネーターの不良です。

チラチラしてしまうのは発生している電圧の脈動が
激しくなってしまうために起こる現象で、
大概はオルタネーターのお尻についているICレギュレーターを
交換すれば直りますが、オルタネーターをコンプリートで
交換しなければいけない場合もあります。

この状態を放置すると、バッテリーが頻繁に上がることがあるのはもちろんですが、
発生電圧が不安定なためにトランスミッションのコンピューターが動作を
一時的に停止してしまい、4速ミッション車は3速に、5速ミッション車は
4速に固定されてしまいます。


万一このような状態になってしまったときは・・・・・

一度イグニッションをOFFにして数秒待ち、
再びエンジンをかければ正常復帰します。

しない場合はオルタネータートラブルではなく本当に
トランスミッショントラブルの疑いがあります。

いずれの場合も早めに点検をしたほうがよいでしょう。

車は口がきけないかわりにいろいろな症状で
ドライバーに不調を訴えかけてきます。
それを感じ取ってあげてください。

毎日乗らないよ、という人は・・・・・・
えーっと、やっぱり安心点検パックですね。
エンジンオイル交換のついでに、という感じでいかがでしょうか?
いつでも受け付けておりますからお気軽にどうぞ。

それではまた。

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