吉田工場長の部屋
(月刊ジャーマンカーズ2005年11月号掲載)


皆さんこんにちは。

最近ラジオなんぞを聴いていると、なにげにクリスマスソングなどが
聞こえてくる季節になってまいりましたね。
これから25日未明まで彼氏カノジョがいらっしゃる方々にとっては
ヒジョーにハッピーな、いない方は季節柄ドン冷えな毎日を
過ごされるかと思われますが(笑)

我が家の場合は長男にDS+トローゼをたかられるか、
はたまたラチェット&クランク4thで済まされるかといった攻防戦が
展開されつつある極めて予断を許さない状況になっちょります。
PSP購入焚きつけ作戦に失敗した私としてはもはや
どうでもいいハナシなので、攻防戦の舞台は私から女房殿に
スイッチして現在も意見の調整が行われています。

皆さんのご家庭はいかがですか?

さて今回は「ATF交換」です。え?以前やったでしょって?
いやいや、今回は違うんですヨ。
そう、あのATオイルチェンジャーをついに導入したんです。
以前から構想を練っていた(「ATF完全交換計画」←エヴァ風に)
が実現したんです。

早速やってみましょう。

素材はE34525i、走行距離14万キロという真に天晴な車ですが、
実はATF交換がこれで3回目という、比較的良好なコンディションの車です。
まず最初にオイルパン内部のオイルを抜き取り、その後オイルパンも
取り外して完全にオイルを排出します(写真1)

ちなみにこの写真に写っているオイルはドレーンから抜き取った後に
残っていたオイルです。

ここでドレーンから排出されるオイルの量はほんのわずかだ
という事が分かります(写真2)
そしてストレーナーも取り外します。
外したストレーナーと新品のストレーナーを比べると
交換3度目といえど、結構汚れているのが分かります(写真3)


これで一晩オイルを排出したままにしておきます。
こうすることでコンバーター内部のオイルも
可能な限り抜き取ってしまうのです。

オイルパンを外す目的は他にもあります。オイルパンは磁石の効果もあって
ATの汚れが一番溜まっている場所でもあり、そこを徹底洗浄することで
ATの汚れを可能な限り取り除こうという事です。

試しにオイルパンの底をちり紙で拭いてみると、
さすがにオイル交換を度々行っているだけあって
それほど目だった汚れは見られませんでしたが(写真4)
磁石はしっかり汚れが堆積しています(写真5)
磁石をきれいにして、オイルパンも洗浄液を浸した布でこすったら(写真6)
最後に洗い流して仕上げます(写真7)
磁石をオイルパンに取り付けたら洗浄作業はOKです(写真8)
AT本体ももちろん汚れていますから(写真9)
見える範囲で可能な限り洗浄液でキレイにします(写真10)
そしてオイルパンを装着してと、ここまでは今までと同じ作業工程ですが、
ここからはATオイルチェンジャーの登場です(写真11)
まずはエンジン停止状態でオイルを充填し、オイルがあふれてきたら
エンジン始動、さらに充填します規定量に達したら
一旦エンジンを停止してATオイルラインを外し、
専用アダプターを介してチェンジャーに接続します(写真12)

接続が出来たら交換量をプリセットしてエンジン始動、
旧いオイルを排出しながら新油を充填します。
オイルパンを排出した時点で7リットル、プリセットで7リットル、
合計14リットル程のATFを使います。


こうしてほぼ完全にATFは交換されましたが、まだまだ予断は許されません。
新しいATFは洗浄効果が極めて高いのでAT内部の汚れを
一気に洗い流してしまう可能性があって、その僅かな汚れが
ATを攻撃する危険性をはらんでいるのです。
そこで登場するのがATオイルフィルターです。

え?フィルターならさっきストレーナーを交換したでしょって?
いやいや、それだけでは不十分なんです。
ATオイルストレーナーの多くは金属メッシュのフィルターを設けただけで、
より細かい汚れを吸着する能力があまりないんです。
すなわち、長い間たまりに溜まったATの汚れが洗い流された場合、
その汚れを回収する能力に欠けているんですね。
そこでATオイルラインにフィルターを装着することによって
僅かな汚れを徹底的に回収しようというわけです。
当社が目をつけたのはマグネファインフィルター(写真13)

入り口に装備されているマグネットで大まかな汚れをキャッチした後、
エレメントによって汚れを完全除去!エレメントが極めて細かいので
完璧にオイル交換が終わった後でないと意味がないんです。

まぁこのマグネファインフィルターはフィルターが目詰まりを起こしても
リリーフ弁があるのでライン油圧を失うという事はありませんが、
汚いオイルのままこいつを装着してもすぐに汚れが堆積してしまうので
何ら意味がありません。

オイルラインにマグネファインフィルターを装着し(写真14)

オイル温度が30度を超えたら(写真15)
油量を確認して(写真16)作業は終了です。

試運転をすると、びっくりするくらいシフトショックがなくなっています。

それにしても寒いですね。

早くも私はステテコ+トレーナーを2枚重ねで武装していますが、
やっぱり寄る年の瀬には勝てないのかどぉなのか
いまいち体調がすぐれません。
今年はインフルエンザがかつてないイキオイで人類に襲い掛かる
とか何とか言っていますし、体調にはくれぐれもご注意くださいね。

それでは、また。

PS:体調の影響なのか、翌日かな〜り多くの誤字脱字が
発覚してしまい大幅に加修訂正しましたとさ、とほほ。

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